自動車の電力供給はバッテリーとオルタネータで行われています。
エンジンの回転数によって、オルタネータで電気が作られ、電気負荷が発電量を下回ったときにバッテリーに充電されます。
オルタネータの仕事は、運動エネルギーを電気エネルギーに変えることですが、そのときのエネルギー損失はとても大きいのです。
通常のオルタネータでは、エネルギー損失により発電効率が約50%になります。
つまり、クランクシャフトから伝えられた運動エネルギーが電気になるには、半分のエネルギーが捨てられていることになります。
オルタネータで作られた電気は、バッテリーに充電されるだけでなく、駆動装置や電装部品、電子機器にも直接供給され消費されています。
自動車全体に効率的に電力供給を行うために、2つの電源ラインが重要になります。
それは、バッテリーマイナス極からボディアースへの配線と、エンジン(車種によってはミッションなどがある)からボディアースへの配線が主要電源ラインです。
本編ではこの2つの配線を主電源ラインと呼ぶことにします。
自動車の通電の効率化には、主電源ラインの環境を整えることが第一です。
まず、主電源ラインは分散せずに単純化させます。
次に、アースケーブルと端子のメンテナンスを行います。劣化したケーブルや端子は電気エネルギーの損失になり、端子の接触不良は電気的機能が損なわれることがあります。
そして、ボディアースのボディ接続部の汚れを脱脂洗浄剤でふき取り、接点復活剤を塗布するとさらに通電効率は改善されます。