燃料が燃えるときに熱エネルギーが生まれ、その代償に排気ガスを排出します。 そして、完全燃焼されたときに効率よく熱エネルギーを取り出すことができ、排気ガス中の有毒物質を減少させることができます。 ここでは、燃焼に関わるそれぞれの要素と作用を見ていくことにしましょう。
空気の主な成分は、窒素(N2)78%と酸素(O2)20% です。気体分子の他に煤塵の微粒子があり、これらの微粒子に帯電が発生します。
ガソリンや軽油は、炭素(C)と水素(H)の化合物=炭化水素です。 炭素の結合が切れて、別の結合に変わるときに熱エネルギーを放出します。 この別の結合が排気ガスです。
排気ガス成分の大部分が窒素(N2)と二酸化炭素(CO2)と水蒸気(H2O)ですが、これらは有毒物質ではありません。 排気ガス中の微量成分として有毒物質が含まれているため、排気ガスの規制が設けられています。
酸素不足による不完全燃焼時に排出される成分。
酸素供給が十分であれば二酸化炭素(CO2)になるため、完全燃焼に近づくほどCOが減ります。
燃焼しきれなかった燃料成分。
COと同じく、完全燃焼に近づくほどHCが減ります。
一酸化窒素(NO)と二酸化窒素(NO2)の総称。
燃焼時の高温で空気中の窒素(N2)と酸素(O2)が結合して発生します。
煤(soot)や煤に付着する可溶性有機成分(SOF)などがあります。
ディーゼルエンジンで多く排出される成分です。
理論空燃比とはガソリンを燃焼するにあたって、混合気として完全燃焼させるための理想的な混合比のことをいいます。
1kgの燃料を完全燃焼させるには、14.7kgの空気が必要であり、質量にして14.7:1となります。
理論空気量と実際に供給されている空気量の差を表す係数にλ(ラムダ)値が使われ、λ=1が理論空気量と一致します。
実際は、完全燃焼させ燃費を抑えるには過剰空気が必要です。
ただし、排気ガスを還元する三元触媒コンバータの作動に、λ=1を守ることが絶対の条件になります。
オットーサイクルの場合、λ値の範囲は
λ=0.98~1.02と非常に狭い範囲を厳守しなければなりません。